弁護士による会社破産手続・再生手続SOS

私的整理とは

著者: 弁護士法人みらい総合法律事務所 
代表社員 弁護士 谷原誠

私的整理とは、「破産」「特別清算」「民事再生」「会社更生」という法的な倒産手続きによらずに、債務者と複数の債権者が話し合いをした上で、債権債務について合意をし、事業を再生させる方法です。「法的整理」に対比させて「任意整理」とも言います。

一昔前は、法的整理よりも私的整理の方が頻繁に行われていました。というのは、会社を清算させる「破産」は、多額の予納金が必要であり、かつ終結するまでに1年以上を要することもあったこと、再生型の民事再生法は存在せず、使い勝手の悪い「和議法」が存在していたためです。

これに対し、私的整理では、数ヶ月で清算あるいは再生が可能であり、頻繁に行われていたものです。しかし、私的整理では、暴力団や「整理屋」が、債務者代理人や債権者代表として乗り込んできて債権者会議を攪乱し、その後債務者会社の財産を食いつぶして債務者も債権者も損害を受ける、という被害が相次ぎました。暴力団や整理屋などが入り込んでくると、円滑な私的整理は困難になるので、法的手続を選択せざるを得なくなります。また、原則として、私的整理は、債権者全員の合意を前提とするので、強硬な債権者などが法的手続を強行したりすると、債権者間の公平が図られなくなるので、やはり法的手続を選択することになります。

その後1999年に民事再生法が成立して法的な再生がしやすくなり、破産手続においても予納金が低額になるとともに処理が迅速になったので、次第に私的整理が使われなくなってきました。

ただ、債権者が少なく、高度の迅速性が要求され、債権者の同意が取れそうな場合には、まだ私的整理の利用価値はあるものと思われます。

私的整理を行う場合の注意点は、初動にあります。手形不渡りや倒産の噂が広まると、債権者が一斉に取立を開始します。事務所や工場、倉庫は債権者集団で混乱を来します。したがって、弁護士に依頼をし、在庫商品や機会、材料などを倉庫などに保管し、施錠をしたうえで、弁護士が管理している旨の張り紙を掲出して債権者による勝手な持ち出しを禁止します。これにより、債権者は他の債権者による持ち出し等もなされないことを認識して一旦混乱は回避されます。そして、すぐに債権者集会を開催し、経過説明と今後の方針を協議します。この作業を短期的に行わないと、債権者は不安にかられ、いち早く自分の債権を回収しようとして混乱に陥ってしまうのです。

私的整理においては、債務者側、あるいは債権者委員会が再建計画、あるいは清算の計画を立てて、それを債権者集会にはかり、進めてゆくことになります。私的整理では、債権者の合意を得ることが前提となっていますが、債権者が再建計画に合意するためには、次のような条件が整っていることが大切です。

上記条件を満たすことができないのであれば、すぐに法的手続を選択すべき、ということになります。

私的整理も、制度が整備されてきて、以下のような制度を利用することもできます。

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