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会社(法人)の破産を弁護士に相談したほうがよい5つの理由

最終更新日
2023年 1月23日
著者: 弁護士法人みらい総合法律事務所 
代表社員 弁護士 谷原誠

会社の破産を弁護士に相談した方がいい理由について、動画で解説しました。

まずは、こちらの動画をご覧ください。

会社が債務超過に陥り、または、資金繰りがショートすると、会社は倒産してしまいます。

その場合、多数の債権者の債権が回収できない、ということになりますので、トラブルが発生します。

まずは、再生できるかどうか、検討することになりますが、再生できない場合には、破産せざるを得なくなります。

破産手続きは、「法律のるつぼ」と言われており、多数の法律問題が生じます。

したがって、破産の可能性があるのであれば、できる限り早く弁護士に相談することが大切です。

そこで、ここでは社長が知っておきたい会社の破産を弁護士に相談したほうがよい理由について説明していきます。

会社の破産手続に弁護士がどう役立つか

会社が破産する時には、弁護士に委任して進めていきますが、破産手続きに弁護士がどのように関わるのでしょうか。

まずは、破産手続きの流れに従って弁護士の関与を図解します。

会社の破産手続きについて、動画でも解説しています。参考にしてください。

【動画解説】会社(法人)の破産手続きの流れを徹底解説

会社の破産手続きは、複雑な法律が絡んできますので、弁護士に委任して進めていくことになります。

では、会社の破産手続きに、弁護士がどう関与することになるのでしょうか。

まず、会社が債務超過になり、あるいは資金繰りがショートしそうだ、というときには、法的にどのような選択肢があるか、検討することが必要になってきます。

そこで、その段階で、弁護士に相談することになります。

会社の債務超過、支払不能の場合には、任意整理、民事再生、会社更生その他の再生型の手続きと特別清算、破産などの清算型の手続きがあります。

会社の状況によって選択すべき手続きが変わってくるので、弁護士に相談したほうが良い、ということになるでしょう。

弁護士に相談した結果、破産を選択する、という場合には、いつの段階で取締役決議等によって破産を決定するのか、従業員にはいつ告知して解雇するか、債権者に言ってよいのか、取引はいつまで続けてよいのか、など、細かいところまで弁護士が助言することになります。

そして、弁護士と相談しながら、タイミングを見極めて、破産申立準備をしていきます。
弁護士に破産手続きを依頼すると、多くの場合に、弁護士から債権者に対し、受任通知を送って、破産申立をすることを明らかにします。

この段階以降、弁護士が会社の代理人となり、債権者との窓口となります。

したがって、これ以降は、社長が債権者と対応する必要がなくなり、精神的にかなり楽になると思います。

破産を申し立てた後も、弁護士は代理人として破産管財人との打ち合わせに同席し、破産管財業務への協力をしてくれます。そして、適宜法的な助言をしてくれることになります。

このように、破産手続きにおいては弁護士が助けになれると思いますので、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

さらに詳しく破産手続きの流れを確認したい方は、以下の記事をご参照ください。
【参考記事】会社の破産手続きの流れを徹底解説

会社(法人)の破産手続きの流れを徹底解説

破産手続き前の弁護士への相談

【動画解説】会社破産の弁護士相談に必要な資料(経営者向け)

会社が債務超過になり、あるいは資金繰りがショートしそうだ、というときには、法的にどのような選択肢があるか、弁護士に相談することになります。

その際には、会社の状況を弁護士に伝える必要がありますので、各種資料を持参することが大切です。

最低でも過去3年分の確定申告書写し(勘定科目内訳含む)を持参するようにします。

弁護士が会社の状況について正確に理解すればするほど正しい判断ができますので、可能であれば、以下の書類を作成持参することをおすすめします。

(1)債権者一覧表
債権者名、金額、債務の種類(貸金か、買掛金か)などを記載します。

(2)滞納公租公課一覧表
税目、金額等を記載します。滞納処分が開始されているものについては、差押の通知書なども持参します。

(3)担保物権一覧表
金融機関等に抵当権等を設定されているときには、担保の一覧表と、不動産登記簿謄本など、状況が正確にわかる資料を持参します。

(4)売掛金一覧表
会社が請求できる貸金や売掛金の一覧表を持参します。
債務者名、金額、債権の種類などを記載します。

(5)財産目録
会社にどのような財産があるかを明らかにします。

(6)資金繰り表
いつ、資金がショートしそうか、破産申立のタイミングをいつにするか、など重要な情報ですので、可能であれば作成します。

(7)社長個人の資料
中小企業では、銀行等から融資を受ける場合、賃貸借契約、リース契約などについて、社長が連帯保証をしていることが多いと思います。
そのような場合には、会社の破産と同時に社長も破産の申立をすることが多いです。
そのような事態に備え、社長個人に関する上記のような書類を持参することをおすすめします。

【参考記事】会社(法人)が破産すると、社長は、どうなるのか

会社(法人)が破産すると経営者(社長)は、どうなるのか?

社長が連帯保証などをしていない場合には、会社と社長とは別の法人格となりますので、原則として、社長が会社の債務を負担することはありません。
ただし、社長が会社財産を流出させていたりなど、特別の事情がある場合には、社長が損害賠償債務などを負う場合があります。

【参考記事】会社の破産で社長がやってはいけない5つのこと

会社(法人)の破産手続きと社長がやってはいけない5つのこと

会社の状況を説明すると、弁護士からは、選択しうる法的手続きの説明があると思いますので、メリット、デメリットなどをよく聞いて社長が判断することになります。
また、債務超過となり、社長としては、「破産しかない」と考えた場合でも、弁護士が他の方法を提案してくれることもありますので、まずは弁護士に相談するほうがよいでしょう。

破産の準備と弁護士の役割

会社破産の手続きを弁護士に依頼したら、その後は破産申立の準備をすることになります。

破産申立をするには、たくさんの資料を収集し、また、作成することが必要です。

破産手続きは、破産会社が所有している財産を全て換価し、債権者を確定して配当て会社を消滅させるものです。したがって、会社の状況を全て明らかにできるような資料を裁判所または破産管財人に提示することが必要となってきます。

たとえば、財産一覧表、債権者一覧表、売掛先一覧表、賃貸借契約書、リース契約書、取引にかかる契約書、不動産の登記事項証明書その他です。

どのような資料が必要になるかについては、弁護士の指示にしたがうことになります。

会社の情報は、社長がもっともよく知っているので、原則として、資料の収集は社長ないし社長から指示を受けた従業員等が行うことになります。

会社が破産予定であることを債権者に告知するのか、従業員に説明するのか、については、慎重な判断が必要です。

破産予定であることを債権者や従業員に前もって説明することで、混乱が生じ、会社資産の持ち出し、散逸等のトラブルが生じることもあるためです。

このあたりも弁護士に相談しながら進めていくことになります。

破産手続きを弁護士に委任すると、弁護士から債権者に対し、受任通知が発送されることがあります。

受任通知には、弁護士が債務の処理について依頼を受けたこと、破産申立をする予定であること、弁護士が会社の代理人に就任したので、以後の連絡は、会社にすることなく弁護士にするしたほうが良いこと、などが記載されます。

この受任通知が発送されると、以後の債権者との交渉窓口は弁護士になるので、社長としては、精神的にかなり楽になると思います。

なお、この段階で、社長としては、お世話になった取引先だけに優先的に支払をしたい、という気持ちになるかもしれません。

しかし、特定の債権者に優先的に支払うと、他の債権者を害する、ということで、後で破産管財人にその行為を否認されてしまうことになります。

注意したいところです。

また、会社の財産を保全する必要がありますので、会社の預金通帳、実印、銀行印、手形、小切手などは、全て弁護士が預かることになります。

破産手続きと弁護士の役割

いよいよ破産申し立てる段階になると、破産の申立書を弁護士が作成して、裁判所に提出することになります。

裁判所は、その資料を見て、破産手続き開始の要件が整っている場合には、代理人弁護士と面談するなどして、破産手続開始決定を出し、あわせて、破産管財人を選任します。

破産管財人は、債権者と債権額を調査し、破産会社の資産を全て換価し、配当する業務を行います。

社長としては、この破産管財人の業務に協力することになります。

まずは、速やかに破産管財人から打ち合わせを要求されますので、代理人弁護士とともに破産管財人と打ち合わせを行い、破産管財人から指示された業務を行うことになります。

この間、当初は何度も破産管財人の事務所に呼び出されることがあるかもしれません。

先ほどの偏波弁済のように、破産申立前に行った社長の行為が破産法上問題となることがあります。

そのような場合に、どのように破産管財人に事情説明したほうがよいかについては、弁護士と相談しながら慎重に行うことになります。

破産手続開始決定が出てから、数ヶ月後に第一回債権者集会が開かれます。

債権者集会では、破産管財人から、管財業務の状況の報告がなされます。

社長も弁護士とともに債権者集会に出席することになります。

債権者集会は、1度で終わることもありますし、何度か開かれることもあります。

破産管財業務が終了するまで、数ヶ月に一度ずつ、債権者集会が開かれることになります。

破産管財人が会社の資産を全て換価し、債権者に配当をすると、破産手続は終了することになります。

社長個人の破産を申し立てた場合には、「免責決定」を得ることにより、債務が免責されます。免責されることにより、債務を支払う義務がなくなります。

ただし、個人の租税公課については免責されませんので、注意が必要です。

会社の破産手続の弁護士費用は

【動画解説】会社の破産手続きにかかる費用を徹底解説

会社の破産手続きの要する費用としては、大きくは、実費と弁護士費用に分けられます。

実費については、官報公告費用、印紙、郵券、予納金、その他弁護士事務所でかかる実費に分けられます。

このうち、東京地方裁判所の場合、予納金については、特に問題のない場合は、20万円です。ただし、難易度に応じて増額されることになります。

したがって、お金が完全になくなってから破産しようとすると、そもそも破産申立すらできない、ということにもなりかねません。

ある程度資金的に余裕がある段階で、破産を予期し、弁護士に相談することが大切です。
その他の実費については数万円程度かかるのが通常だと思います。

弁護士の交通費や日当がかかる場合には、それに応じてかかってきます。

弁護士費用は、弁護士の労力によって増減されますので、一概には言えません。

事業所が全国に展開されていたり、規模が大きいような事案では、高額の費用がかかります。

会社の場合には、通常は50万円~、社長個人の場合には、20万円~、というのが一般的な弁護士費用だと思います。

くれぐれも、ギリギリで弁護士に相談せず、ある程度前もって弁護士に相談することが大切です。

最後に、年間でどの程度の破産申立があるのかについて、司法統計をご紹介します。

これを見ると、ここ数年では、裁判所に対して破産申立をする件数が増加していることがわかります。

【出典】司法統計

http://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search

破産申立をする際には、必ず弁護士に依頼して進めるようにしましょう。